『オッペンハイマー』が2023年度アカデミー賞受賞

2024

3月10日(現地時間)米ロサンゼルスで第96回アカデミー賞授賞式が行われました。その年最も優れた作品に対して送られるアカデミー作品賞は、『オッペンハイマー』が受賞しました。

クリストファー・ノーラン監督による同作は、「原爆の父」として知られる理論物理学者J・ロバート・オッペンハイマー氏の半生を描いており、アメリカでは2023年の興行収入で第3位につけるなど大きな成功を納めています。

作品賞を含めて計13部門でノミネートされていた本作は、監督賞や撮影賞、作曲賞など、計7部門での受賞となりました。この授賞式に先立って、スポーツなどのイベントで予想オッズを提供する海外のブックメーカーは、事前にアカデミー賞へのオッズを出していましたが、『オッペンハイマー』は、候補作の中で一番低いオッズが与えられるなど本命視されており、見事に的中した形になります。

今回の受賞にあたり、アイルランド出身者として初のアカデミー主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィー氏は「あちこちで世界の平和を促進する人たちにこの賞を捧げたい」と語りました。

日本作品は2作品が受賞!

この第96回アカデミー賞は、『PERFECT DAYS』『ゴジラ-1.0』『君たちはどう生きるか』の日本の3作品が同時にノミネートされた異例の年でもあり、日本人にとっても注目度が高い年でしたが、そのうち『ゴジラ』の視覚効果部門、そして『君たちはどう生きるか』の長編アニメーション部門という2部門同時の受賞となりました。

『ゴジラ』は『ポケモン』や『ドラゴンボール』などの超人気タイトルと同様、アメリカでの抜群の知名度を誇る鉄板IPであるとともに、『君たちは〜』は日本アニメの代名詞でもあるスタジオジブリ作品による作品です。そういった意味では、この2作品が今回のアカデミー賞で見事受賞をしたことに大きな驚きはありませんが、やはり「ゴジラ」「ジブリ」が作り出す作品の強さが、改めて確認された形となります。

アジア人差別疑惑…?残念な話題も

一方、あまり嬉しくない話題もありました。例年、アカデミー賞の授賞式では、前年の各賞の受賞者が、その年の受賞者にトロフィーを手渡すプレゼンターをつとめるのが慣例になっていますが、昨年のアカデミー賞を席巻した「エブエブ」こと『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に出演したアジア人俳優たちが、各賞でプレゼンターを務めました。

問題となったのは、助演男優賞を受賞したロバート・ダウニーJr氏、および主演女優賞を受賞したエマ・ストーン氏がトロフィーを受け取る場面で、それぞれトロフィーを手渡したアジア系のキー・ホイ・クァン氏とおよびミシェル・ヨー氏と目を合わせることもなく、トロフィーをつかむとそのまま白人である他のプレゼンターたちと握手やハグをして祝福を受ける姿が見られ、動画が拡散されました。

ロバート・ダウニーJr氏が授賞式後、プレゼンターたちと仲良さげに自撮り画像を撮る姿も見られ、ステージ上での態度は単なる偶然ではないかと擁護する声もありますが、ともにアジア人であるプレゼンターを、完全に無視したとして、インターネット上で批判と疑惑の声が相次いでいます。

近年のアカデミー賞授賞式では「MeToo運動」や「BLM運動」など、マイノリティに関する政治的な意思表示が注目を浴びることが多くありましたが、アジア系の人々は特に「サイレント・マイノリティー」や「モデル・マイノリティ」と呼ばれる通り、なかなか差別の対象として認識されることはありませんでした。今後、この2人から何らかの対応があるのか、そしてこれをきっかけに大きなムーブメントとして発展していくのか、とても興味深いところです。

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